パンの中にあふれる夢

金曜日, 6月 24, 2016 Posted by
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先日、いつものように本屋さんで新刊を見て雑誌コーナーをさらっと見て、その後ぶらぶらしてたら、カラフルな写真が目に飛び込んできました。それは料理の本だったんですけど、サンドイッチの特集の本でした。表紙を飾っていたのはフルーツサンド。『美味しそう』というよりは、『キレイ』『可愛い』という印象でした。手に取って見ると、色んなサンドイッチが載っています。でも、やっぱり注目はフルーツサンドです。ホントにたくさんの夢が溢れているように見えるんです。私は自分で焼いたパンでサンドイッチを作ることがけっこうあります。けど、いつも、ハムやレタスにキューリ、トマトや卵、たまにツナというありきたりな物ばかりです。フルーツは大好きだけど、パンにフルーツを並べて生クリームをたっぷりなんて、家で作ったことがありません。
小学生の時、クラスの男子が遠足の時にイチゴのサンドイッチを持って来ていて、すごく羨ましく思ったことがあります。それで、家に帰ってから母に作ってほしいと言ったと思うんだけど、たぶん母の常識にはイチゴのサンドイッチというものがなかったんでしょうね。食べた記憶がないですから。もちろん、大人になってからはカフェやお店でフルーツサンドを見かけたことはあります。けど、いつのまにか私の常識からも消えてしまっていたみたいです。
今、私の部屋の机の上にはカラフルな表紙の本があります。明日は、パンにはさむフルーツを買いに行くつもりです。

隣の女性が降りたあとに

木曜日, 6月 9, 2016 Posted by
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仕事帰りの電車で運よく座れた時にはホッとします。それも思いっきり疲れてる時には尚更です。先日、乗りこんだら席が空いていて座ることができました。隣に座っていた女性は読書の途中でうとうとしている様子でした。膝の上にバッグを乗せて、そのうえに文庫本が乗っかっていました。私もよくあります。知らないうちに寝ちゃってることって。ふと前を見ると、いつも中吊りがあるところにその電車はモニターが付いていたんです。中吊りとモニターが交互になっていました。モニターには駅の案内の他、エステや美容器具なんかのプロモーションっぽい映像が流れていました。しばらくそれを見ていましたが、せっかく座れたんだからと本を読み始めました。いくつかの停車駅が過ぎて、ある駅に電車が停車した時、眠っていた隣の女性がはっと目を覚ましたんです。そして駅のホームを見たと思ったら慌てて降りて行ったのです。電車を乗り過ごした事がある私は、彼女が乗り過ごさなくて良かったって思いました。というのもつかの間、足元に1冊の本が落ちていることに気が付きました。もう電車は動き出していました。さっきの人の……。拾い上げると、それは図書館で借りた本でした。後で気づいたなら絶対に慌てます。自分の物でもそうだけど、図書館の本なら尚更ですよね。早く駅員さんに渡さなきゃって、私は自分が降りる駅に着くまで落ち着いてはいられませんでした。そして、ようやく乗換えの駅で駅員さんに本を預けることができたんです。駅員さんは「他の駅に問い合わせがあるかもしれないですし、連絡が入ったら落とし主にお返ししますね」って言ってくれたので安心しました。その本、ちゃんと彼女の手元に戻ったかなぁ。

月の物語り

金曜日, 5月 27, 2016 Posted by
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月って見るたびに違う表情だから、いつも見とれてしまいます。大きさも明るさも色だって違います。夕方に驚くほど大きくて円い姿で目の前に現れる時もあります。濃いオレンジ色の日もあります。もちろん、満月の日もあれば三日月の日もあって、上弦の時も下弦の時もあります。昼間には白く見えて、それを見つけると特別な物を見つけたような気持ちになります。そして満月は見ていると本当にウサギがお餅つきをしているように見えるから、昔話だって頷けます。月を題材にした絵本は数多くあります。お月様にお話ししたり、月を取ってって頼んでみたり、月を食べちゃったりと夢が広がります。日本だけじゃありません。外国にも月の童話は沢山あります。それだけ夢のあるものなんですね。私も幼い頃、何度も何度も母に読んでもらった本があります。なんていう絵本だったのかは忘れてしまいましたけど、長い道を月の光が照らしている挿絵があったことはなんとなく覚えています。絵本の中の物語と目の前の月とのイメージを重ねて空を見上げていた幼い頃が懐かしいものです。そして思春期の頃には、好きな男の子と同じ月を見てるって思うことがすごく幸せだと感じていたんですよね。でも、昔も今も月の魅力には変わりありません。大人になった今でも、月を見るとなぜか心が吸い込まれていきます。

コーヒーを覚えたお店

木曜日, 5月 12, 2016 Posted by
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学生の頃までは、どっちかって言うと紅茶派だった私は学校を卒業して社会人になってからコーヒー派になりました。新入社員の頃、先輩とお昼のランチに行くこともあり、ランチの後に場所を変えて喫茶店に連れて行ってもらうこともありました。お昼休みの短い時間で移動するから結構忙しかったのを覚えています。けれども、その喫茶店は先輩たちがわざわざ行くだけのことがあったんです。初め私は当たり前のように紅茶を頼んでいました。そしたら、ある日先輩が「ここに来たらコーヒーを飲まなきゃ」って言うんです。私が苦手なことを伝えると、一度でいいから試しに飲んでみてって勧めるんです。苦いのがほんとに苦手だった私は先輩の手前、仕方なくという感じでチャレンジしたのです。そしたら、ビックリでした。過去に飲んだものとは全く別物だったんです。コクがあってまろやかで苦いという気がしませんでした。シンプルで素朴だけど深みがあるって言えばいいのかな。そしてミルクを入れたその色は優しい茶色で、でもしっかり濃いのがわかるんです。それこそ月並みだけど、「目からうろこ」でした。あの日以来、色んなコーヒーを飲みましたけど、あのお店と同じ味には出会っていません。まだ同じ場所にあるのかな。あの頃はいつも慌ただしかったから、今度ゆっくり本でも読みながらあのコーヒーを味わってみたいものです。

ワンコの夢

土曜日, 4月 30, 2016 Posted by
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先日、コーヒーを飲みながら本を読んでいたら、どこからか妙な音が聞こえて来たんです。なんだ?と本を閉じて耳を澄ませて音のする方を見たら、うちのワンコが眠っています。これは、いびき?そーっと近づいてみると、たしかにくぅーくぅーくぅーと聞こえます。私がそばに行っても全く起きる気配もなく気持ち良さそうに眠っています。そんなに眠かったのかなって思いながら、起こさないようにそっとその場を離れて、また読書の続きを始めました。しばらくすると、また何か聞こえました。うーん、むにゃむにゃむにゃ。え、今度は寝言?また、そーっと近づいてみました。さっきと全く同じ体勢でしっかり目を閉じて爆睡しています。人間なら「寝言でこんなこと言ってたよ」なんて言われるところですが、ワンコですから、何を言ったかは全くわかりません。けど、夢を見てるのかもしれません。この子は赤ちゃんの時にペットショップで見つけてうちの子になりました。自分のお母さんのことを覚えているのかなって時々思います。赤ちゃんの時に知らない所に連れて来られてすごく寂しい思いをしたかもしれません。もしかしたら、お母さんの夢を見ていたのかも。私の気配を感じたのか急にパッと目を開けました。目の前に私がいたからちょっと驚いたようで真ん丸の目になりました。私はワンコが愛おしくなってぎゅっと抱きしめました。

空き家のミステリー

金曜日, 4月 15, 2016 Posted by
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いつも通るワンコのお散歩のコースに一軒の空き家があります。通るたびに私はなぜかその家が気になるのです。門は閉められていますが、敷地の囲いが半分ないので、門が閉まっていてもその役目は果たしていません。庭と呼ぶにはもう相応しくないその土地には、腰のあたりまであるでしょうか、背の高い草が生えています。表札は外されていて誰も住まなくなってからかなりの年数が経っていそうです。私はその前を通るたびに、なぜ空き家になったのかなぁとそのストーリーを考えるようになりました。お散歩の途中に通るだけなので、立ち止まるわけでもなく数秒で通り過ぎてしまうのに、何かざわざわしたものを感じます。
実はその家の中は、テーブルやベッドなどの家具がそのままになっているのです。そして住人がいない空き家には、大きな一匹の犬だけが住んでいるのです。この犬は母親とはぐれた犬で、本当は母犬のもとに行きたいけれども行けず、人間が怖くて昼間はこの家の中に隠れているのです。家の扉の鍵はかかっておらず、入ろうと思えば誰でも入ることができます。そんなある日、部活帰りの5人の中学生がテニスボールをこの家の庭に放り込んでしまったことがきっかけで、彼らはこの家の中に入って行くのです。
おっと。我ながらよくこんなに勝手に考えるものだと感心します。でも、私の空想はまだまだ止まりません。ワンコを引っ張って急いで家に帰ると、続きを書きとめます。なんだかすごいミステリーが出来そう。

それは映画のように・・・

土曜日, 4月 2, 2016 Posted by
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読みかけの本のしおりを外した時に、数年前のある記憶がよみがえってきました。一生のうちにあんな出来事はもう二度とないだろうと私は思っています。
それは、仕事で少し遠出をした帰りのこと。あまりにも疲れていたので、特急の指定席を確保して電車に乗り込んだのが、そもそもの始まりです。私は終点まで乗るので時間はたっぷりあり、ゆっくり読みかけの小説を読もうと座席に体をゆだねてリラックスリラックス。隣の席は電車が出発したときには空いていたんですけど、たしか次の駅で一人の男性が乗って来ました。別に隣に誰かが座ったところで気にすることもなく、私の興味は読んでいる小説の近づきつつあるラストにしかありませんでした。それなのに、それなのにです。いつの間にか私ったら眠ってしまってたんです。まぁ、たしかに相当疲れていたことは間違いないんですけど。でも、人は知らない間に眠ってしまうと、目が覚めるまでは自分が眠っていることには気づかないものです。もちろん、私も例外なく気づきませんでした。本を読んでるつもりだったんですから。
ん?と気づいたのは、隣の人が席を立った気配でです。顔を上げた私の視線の先には、一人の男性の後ろ姿がありました。「ここは?」次は終点です。はぁ、続きを読むはずだったのに寝てしまったとは・・・と思いながら、ようやく手元に目を向けたわけなんです。
すると開いた本の間に小さなメモがあるではないですか。目に飛び込んで来たのは「お茶でもいかがですか」というボールペンの文字。えっ、隣にいた男性?眠り込んでいた私はその瞬間まで気づかなかったのです。残念なのか良かったのか、自分でもわからないけど、私らしいと笑えました。これが映画ならきっと、ここからストーリーが始まる大事なシーンですよね。私の場合は映画のようにはなりませんでしたけどね。

パンの焼ける匂いで目覚めるために

土曜日, 3月 19, 2016 Posted by
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朝、起きたらパンの焼ける匂いがキッチンに広がっているのが大好きです。ホームベーカリーは私が買って良かったと思う家電の№1です。明け方には、ベーカリーが動きだすから、眠りが浅くなると遠くからパンをこねる音が聞こえてきます。これがまた良い響きなんです。目覚まし時計はパンが焼きあがる少し前にセットしておきます。そうすれば、幸せな目覚めを味わうことが出来るのです。パンの焼きあがりに合わせて、コーヒーを煎れます。コーヒーの香りとパンの匂いのハーモニーと言ったら、もう絶妙です。そのためには、ちゃんと寝る前にホームベーカリーのタイマーをセットしておかなくちゃいけません。早めにセットしておかないと、後でしようと思っているとついつい忘れてしまい、思い出した時には、時すでに遅し。睡魔に襲われて結局できなかった、なんてことになるのです。ポイントは、お風呂から上がってボディクリームをつけたら、キッチンへ直行して即セッティングすることです。たとえ小説の続きが読みたくても、先に読み始めてはダメです。読んでいるうちに眠くなるのは目に見えているのですから。セットするのって時間にしたら、たった5分くらいだから、つい後でも出来ると甘く見てしまうんですよね。
材料を入れてセットが完了すれば、そのままベッドにGOでも大丈夫。ベッドで小説の続きを読みながら至福の時を過ごして、そのままおやすみなさい。明日の朝が楽しみです。

逆説的なタイトル

金曜日, 3月 4, 2016 Posted by
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逆説的なタイトルで興味を引く、という戦略に、まんまと釣られてしまいました。それはとある国の料理についてまとめた本で、その名も「○○はおいしい」。その国に行ったことがないにも関わらず、おいしいイメージがまるでなかったので、思わず手に取ってしまいました。
家に帰ってじっくりと読んでみたところ、著者は「確かにまずいものの話題には事欠かない」とした上で、積極的においしいものについて紹介していく、という非常に前向きなスタンスで筆を進めていました。とても面白かったです。野菜の茹で方のひとくだりなど、日本人の私にはとても不合理に思えたのに、向こうの人にとってはそうではないのですね。ある意味ではとても合理的で、異文化の魅力を改めて感じました。
個人的に、こういったタイトル付けは結構好きです。ラノベなどでも見かけますね。一般的に当たり前だとされていることをのっけから否定するのですから、とてもインパクトがあります。その分、内容に大きな期待が掛かる「賭け」でもあると思います。ただ否定しているだけでは駄目ですよね。しかし本当に上手く書かれたものは、読み終わった後に自分の中に新しい概念が生まれた満足感があります。そういう本に出会えると、とても幸せな気持ちになります。

大切だったぬいぐるみ

木曜日, 2月 18, 2016 Posted by
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ぬいぐるみって捨てづらいですね。長年愛でたり飾ったりして、思い入れがあるものだとなおさら。私の部屋には、小説を含めてたくさんの本があります。新古入り乱れてごちゃごちゃしています。その合間に飾ってあったのが、小さい頃からお気に入りのクマのぬいぐるみです。気まぐれにアルバムなどを眺めていると、これの登場頻度に驚かされます。今は亡き親類の方が贈って下さったものです。
そのかわいい愛しのクマちゃんに、虫が湧いてしまいました。たまに洗って虫干ししたりしていたのですが、経年劣化には敵わなかったようです。もうだいぶよれよれになっていましたし、謎のシミがいっぱい付いているしで、これを機に捨てよう!……と思ったのですが。
手に取る度に罪悪感に襲われていたたまれません。釦のその目が、じっと私を見つめて訴えかけているような心地がするんです。捨てないで、と。そして手のひらが痒くなります。
ライナスの毛布、もといブランケット症候群なる症状がありますね。そこまではいかなくても、執着している面はありました。ここで手放してしまったら2度と手に入らない、思い出の品。けれど、手放してしまわないと、今大切な物に被害が及んでしまう……。
悩みましたが、お酒の勢いを借りてゴミ袋に突っ込み、お清めに塩を振りかけたところ、ふっと気が楽になりました。1度執着してしまうと、あとあと大変ですね。